フィラリアの原因と症状と予防

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フィラリアの種類は多く、様々な動物に寄生するものがあり、イヌに寄生するものだけでもおよそ10種が知られています。
犬糸状虫は、こうしたフィラリアの一種です。

犬糸状虫のことをしばしばフィラリアといいます。

しかし、正確には犬糸状虫というべきですが、ここではわかりやすくフィラリアと呼ぶこととします。

フィラリアは、世界各地に分布し、とくに北アメリカやアジア、ヨーロッパ南部、オーストラリアなどで大きな問題になっています。

日本でも全国的に発生が認められますが、南の地域ほど高率に発生が認められる特徴があります。

これは、南日本では中間宿主である蚊の活動時期が長いためだと考えられています。

フィラリア虫の形態と生態

フィラリアの成虫は、乳白色、半透明で、見た感じ素麺のようにみえます。

雌成虫の体長は25~30cm、雄成虫の体長は10~20cmほどで、細長い形状をしています。

フィラリアの終宿主としては、イヌやタヌキのほか、ネコやフェレットなど、かなりの種類の食肉目動物が知られていますが、それ以外にも、人間を含めて様々な動物に寄生することがあるのです。

フィラリアの成虫は、終宿主の大静脈から右心房、右心室、肺動脈にかけて、とくに肺動脈に寄生します。

そして、交接(生殖活動)をし、ミクロフィラリアといわれる子虫を産みます。

ミクロフィラリアは、終宿主の血液中を流れ、中間宿主となる蚊がその動物を吸血する際に、蚊の体内に取り込まれるのを待ちます。

蚊の体内でミクロフィラリアは発育し、感染力を持つ幼虫になり、再び蚊がイヌなどを吸血するときに、その刺し傷から動物体内に侵入していきます。

イヌやネコなどの体内に入った感染幼虫は、筋肉の間などで発育し、その後に心臓や肺動脈に移行して成虫になるのです。

フィラリアの症状

フィラリアの寄生を受けたイヌの症状はいろいろです。

無症状であったり、あるいは元気がなくなったり、食欲の低下、栄養状態の悪化、被毛の質が低下するなど、判断できない症状を示すだけのこともありますし、重症化して咳をしたり、呼吸困難、さらには腹水が貯留するケースもあります。

また、発生頻度は高くはありませんが、ときに急性症状を示すことがあります。

急性のフィラリア症では、急激に元気がなくなり、食欲がなくなるとともに、可視粘膜が蒼白になり、さらに呼吸や心臓の拍動が早くなったり、呼吸困難などを示します。

さらに、血液中の赤血球が壊れ、その中のヘモグロビンが尿中に出現するため、尿が赤色になることもあります。

急性フィラリア症は、ただちに適切な治療を行わないと、死に至ることが多い重篤な疾病です。

一方、ネコやフェレットのフィラリア症は、無症状または軽症で経過している例も多いと思われますが、急性に転化することが珍しくありません。

これらの動物は心臓が小さいため、いったん急性化すると非常に重症になり、イヌの場合以上に死亡する危険性が高くなります。

フィラリアの診断

フィラリア症は、症状からこれを疑うことができます。

特に急性フィラリア症では、症状により比較的容易に推測することが可能です。

しかし、厳密に診断を行うためには、フィラリア虫が動物の体内に寄生していることを証明しなければいけないのです。

そのためには、血液の検査を行い、ミクロフィラリアを検出するか、またはフィラリア虫の成虫が分泌あるいは排出するある種の物質を検出します。

このほか、フィラリア虫の寄生部位にもよりますが、心臓の超音波検査によって寄生を確認できることがあります。

また、 Ⅹ線検査により肺動脈などを調べ、その所見からフィラリアの寄生を推測することも可能です。

いずれにしても、各々の検査には一長一短があります。

フィラリア症の診断は、各種の検査を組み合わせて行うことが大切です。

フィラリア症の治療

フィラリア虫を駆除するには、メラルソミンニ塩酸塩という砒素薬を使用します。

ただし、フィラリア虫は右心室や肺動脈に寄生しているため、死滅すると肺に流されていきます。

その結果、フィラリア虫は駆除できても、今度は肺にフィラリア虫の死骸が詰まり、呼吸困難などを起こし、最悪の場合には死亡してしまうことになる危険性があります。

駆虫薬を投与した場合には、動物を安静に保つなど、細心の注意が必要です。

また、駆虫薬投与による駆除のほか、外科的にフィラリア虫の成虫を摘出することもあります。

これは開胸、さらに開心手術を行い、成虫を取り出すというものです。

しかし、大きな手術になりますので、動物への負担が大きく、常に行えるとは限りません。

急性フィラリア症では、多くの場合、成虫が右心房や大静脈に移動してきています。

こうした例では、頚静脈から「犬糸状虫吊り出し鉗子」という細長い器具を挿入し、成虫を吊り出すことも可能です。

このほか、対処療法としてそれぞれの症状に応じた処置も必要です。

基本的には、動物を安静に保ち、良質の食事を与えるようにします。

さらに必要に応じて、消炎薬や抗生物質を投与したり、心機能改善のための薬物の投与、さらに腹水が貯留している場合には利尿薬の投与など、様々な手段を試みます。

フィラリアの予防

フィラリアを駆除する際には、多くの困難が生じます。

ですので、フィラリア症については、他の寄生虫以上に予防が重要であるといえます。

フィラリアの感染を予防するには、中間宿主である蚊の吸血を受けないことが重要なのです。

しかし、これは現実には非常に困難であり、確実に実施できるという保証はありません。

そこで、蚊に吸血されることはある程度はやむを得ないこと、すなわちフィラリアの感染は避けられないことと考え、感染したフィラリアの幼虫がイヌなどの体内で発育し、心臓や肺動脈に達して成虫になる前の段階で殺滅するようにします。

このために用いられているのがフィラリア予防薬といわれる薬です。

これは、予防薬といわれていますが、フィラリアの感染を予防するのではなく、成虫に発育するのを予防する、または、フィラリア症の発症を予防するための薬であり、その作用は幼虫の殺滅です。

フィラリアの幼虫は終宿主の筋肉の間などに寄生しているのです。

この時期の幼虫を殺滅しても、成虫駆除の場合と異なり、死亡した虫体が肺に詰まることはなく、安全に虫体を駆除することができます。

フィラリア予防薬として用いられている薬物には、現在、イベルメクチンとミルベマイシンオキシム、モキシデクチン、セラメクチンの4種類があります。

このうち、イベルメクチンとセラメクチンにはイヌ用とネコ用の製剤が開発されていますが、ミルベマイシンオキシムとモキシデクチンは現在のところ、イヌ用だけとなっております。

なお、これらの薬物には、長期間にわたって有効な製剤もありますが、多くは1ヶ月に1回の割合で投薬を行います。

これは、その1ヶ月の間に感染した犬糸状虫の幼虫を殺滅するためであり、1ヶ月ごとに駆除を行うということです。

したがって、フィラリア予防薬の投与は、中間宿主である蚊の発生の1か月後に開始し、収束の1か月後まで、1ヶ月間隔で実施すれば良いことになります。

この期間は、地域によっても異なりますが、最近では気候が温暖化し、また、家屋の保温性が向上したこともあって、蚊の発生時期が長くなっていると考えられています。

投薬の期間は、その地域の動物病院で相談して決めるようにしてください。

 

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