犬のフィラリア症は有名ですが、猫も同様にフィラリア症にかかってしまうことがあります。
自宅に猫を飼っているという方は、フィラリア症にかかってしまうことでのリスクについて把握されておいたほうが良いでしょう。
フィラリア症とは、フィラリアと呼ばれる寄生虫に寄生されることで様々な症状を引き起こしてしまいます。
フィラリアは小さいと思いがちですが、猫の体内でも21cmまで成長してしまうことがある大型の寄生虫となります。
フィラリアは主に血の栄養分を吸って生きることになります。
症状としては、咳や息切れなどの呼吸器の症状をはじめ、嘔吐や下痢、失神の他にもうつ病にもなってしまうことがあります。
猫がフィラリア症になったときのリスク
猫のフィラリア症は犬よりも重症化してしまうケースが多く、いままで元気だったのに突然亡くなってしまうということもあるようです。
突然亡くなってしまう原因としては、フィラリアの分泌物によってアレルギー反応を起こし、激しいアレルギー反応によってアナフィラキシーショックを起こしたり、フィラリアの死骸が肺の動脈に詰まってしまうことで呼吸困難が引き起こされてしまうこともあります。
恐ろしいのはフィラリア一匹でもアナフィラキシーショックが起こるということです。
フィラリアは主に肺動脈に寄生しますが、中枢神経などにも寄生してしまうこともあり、それによって神経症状を引き起こす場合もあります。
猫の感染経路としては、蚊となり、フィラリア症を発症している犬や猫の血を吸うことによって血と同時にフィラリアの幼虫を吸出します。
フィラリアを発症している犬や猫の体内では、フィラリアの成虫が幼虫を産んで、この幼虫は血管の中を漂うため、血と一緒に吸い出されてしまうことになります。
この吸い出したフィラリアの幼虫は蚊の体内で成長して、10日から2週間ほどで感染することができるように成長し、この感染できるようになった幼虫を感染幼虫と呼びます。
この感染幼虫を持った蚊が犬や猫の血を吸った際に、体の中に侵入してしまい、フィラリア症となってしまいます。
猫のフィラリア症の見分け方としては、咳や呼吸困難、睡眠時間が前よりも長い、食欲がない、嘔吐などがあります。
これらは慢性的な症状となり、急性的な症状としては、虚脱、盲目、痙攣や湿疹、血を吐くなどの症状も見られることがあります。
症状を見分けるためにも、蚊が多い時期には注意をして、様子をよく見てあげるようにしたほうが良いでしょう。
猫のフィラリア予防をするメリット
猫のフィラリア症は、フィラリアの幼虫が体内に入っても成虫になってしまうことも少なく、犬よりも感染確率は低いとされていますが、感染してしまうと犬よりも重症になってしまうため、フィラリアの予防はしておくと安心かと思います。
フィラリア予防をすることによって得られるメリットとしては、蚊に刺されてしまい、フィラリアの幼虫が体内に侵入したとしても幼虫を確実に殺すことができるという点です。
フィラリアを予防することができるだけでなく、ノミやダニにも効果がある予防薬があるため、そちらの使用がおすすめとなります。
特にマダニですが、マダニに刺されてしまうことによって亡くなってしまう猫もいるため、そちらを予防することも可能です。
予防薬としては病院で注射を打ってもらう方法と、皮膚から吸収させるタイプのフィラリア予防薬があります。
病院で注射をしてもらう方法ですと、効果が一年間持続するため、一年間はフィラリア症にかかる心配はありません。
ただ、注射となるので痛みを伴い、猫にとっては大きなストレスとなることもあります。
皮膚から吸収させるタイプのフィラリア予防薬ですと、効果としては1ヶ月程度のものが多く、持続期間は短いですが、病院に行く手間もなく飼っている猫にとってもストレスとなることはないでしょう。
ただ、持続効果が1ヶ月となるので投薬するのを忘れをしてしまう可能性も高いです。
皮膚から吸収させるタイプのフィラリア予防薬は、塗った部分を洗ってしまうと持続効果が短くなってしまうこともあるので、2時間は洗わないようにします。
フィラリア予防をするための方法はいくつかありますが、どれが良いのか迷っている方は、行いやすい方法を選択して実践していくと良いでしょう。
フィラリアを予防することができますが、副作用が出る場合もあり、嘔吐や下痢などの症状がみられることもあります。
フィラリア予防薬の副作用としては、明確にわかっていない部分もあるため、副作用の症状が酷い場合は次回の使用を控えて、別の方法を選んでいったほうが良いでしょう。
ちなみにフィラリア予防薬はペット保険が適用されるかという疑問もありますが、フィラリア予防薬はペット保険適用外となっています。